さっぱりと or じっくりと楽しむ緑茶の淹れ方

Root Farm, 足柄茶ラボ

 前回の足柄茶ラボさんの記事でもご紹介がありました、戦後昭和の時代に小田原板橋に住み、老欅荘で数寄茶を楽しまれた近代三茶人の一人、「電力の鬼」こと松永耳庵(安左エ門)さんについて調べてみました。
 もともと数寄茶とは、型式の決まったお茶の形式から外れて自由にお茶を楽しむものですが、その中でも松永さんの主催する茶会は、「前代未聞」と評されることもあったようです。例えば、以下のような逸話があります。

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 終戦から5年後の昭和26年、耳庵の親友である小林一三(阪急電鉄・宝塚歌劇団)の追放解除を祝うため、五島慶太(東急電鉄創業者)、畠山一清(荏原製作所創業者)など当時の財界トップを招いて鎌倉で茶会が開かれたときのこと。客人皆で亭主がたてたお茶を楽しむ茶会のハイライト「濃茶」の際、耳庵はお茶をたてた亭主代理に「お茶がぬるすぎていけない」と物申した。亭主代理は、濃茶の手順通りにたてたと反論するが、実際、茶会の参加人数が多く、温めたお茶が冷めてしまっていた。耳庵曰く、手順に従い、またどんな名椀でお茶を練れたとしても、美味しくなくては「お茶の礼に悖る(もとる)。」、と。
 晩年の耳庵のもとによく出入りした人の評によると、「おぢいさん(耳庵)の点前はメチャ流だったが、濃茶はおいしかった」そうである。
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※小説『耳庵 松永安左エ門』白崎英雄(新潮社 1990)より。Root Inc.により、編集。

 さて、今回は足柄茶ラボの石崎さんから、新茶シーズンを迎えた足柄茶の新しい楽しみ方をご紹介いただきます。耳庵さんもきっと、「メチャ流で新しいが、美味しい。お茶の心に適っている。」と評価してくれるのではないでしょうか。

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 足柄茶ラボの石崎です。
 毎年新茶の出回るシーズンに県内各地の農産物直売所を会場に「新茶まつり」が開催されます。神奈川県茶業振興協議会の主催で行われるこのイベントでは、毎回足柄茶コンシェルジュが”足柄茶の新しい飲み方”提案を行っています。

【フレーバーウォーター風水出し足柄茶】
 今年は、藤沢市の農産物直売所わいわい市藤沢店を会場に行われるということで、湘南のオシャレなイメージでフレーバーウォーター風の水出し茶を作ってみました。
 扱いが手軽なティーバッグ2袋と水1リットルをガラスポットに入れて軽くかき混ぜます。季節の柑橘をスライスしたものを3枚〜5枚入れ、30分~1時間ほど冷蔵庫で冷やせば出来上がり。今回使ったニューサマーオレンジや、湘南ゴールドなど皮が黄色く淡い風味の柑橘がオススメです。

 スライスしたニューサマーオレンジが淡い水色のお茶に浮かんだ見た目にもオシャレな水出し茶が出来上がります。ほんのりと柑橘が香り、後味はお茶の渋みがさっぱりと引き締めてくれるこれからの時期にオススメの飲みかたです。
 半日くらいで香りが十分に出たらティーパックと柑橘類はのぞいて別のポットに移し、丸1日(24時間以内)で飲みきるとよいでしょう。
 
【蓋碗で楽しむ高級新茶】
 新緑が美しいこの時期、小田原市板橋の松永記念館老欅荘を会場に「庭園呈茶」が行われました。ここでご紹介したのが、足柄茶の新茶の中でも上級のグレードのお茶を「蓋碗」という蓋つきの茶器でご紹介する「うまみ茶」形式の飲み方です。
 「うまみ茶」とは通常足柄茶の品評会出品茶を「蓋碗」でいただくものを指し、年に一度の特別な”新茶”の持つ魅力を余すところなく引き出し、楽しんでいただけます。
 「うまみ茶」形式では、人肌(40度)まで冷ましたごく少量のお湯とお茶の葉を、急須ではなく、蓋碗に入れ、じっくりと浸出した後、茶器にいれていただきます。蓋碗を使うことで、お茶の雫をたっぷり味わうことができ、新茶の生命力を存分に感じ取っていただけます。もちろん急須で淹れても美味しい新茶ですが、この「うまみ茶」形式ですと、一煎、二煎、三煎と浸出時間や温度を変えながらそれぞれ異なる表情を楽しむことができます。
 

 最後に、6月には足柄茶コンシェルジュと一緒に学べるスキルアップ講習が開催されますので、ご紹介いたします。ご興味ある方は、足柄茶ラボのFacebookにてメッセージにてご連絡ください。
https://www.facebook.com/ashigarachalabo/

【スキルアップ講習1:新茶を色々な淹れ方で楽しむ】
・新茶(足柄茶「神撰」)を水出し、急須、蓋碗でそれぞれ楽しみます。
・日時:6月19日(火)10時 
・会場:ティーハウス7th May(開成町)
・対象:一般(どなたでも)
・定員:5名
・受講料:2000円(7th Mayのスィーツ付き)
・受講締め切り:6月15日

【スキルアップ講習2:清閑亭ティーサロン】
・全国各地の新茶を飲み比べる
・異なる5つの産地の新茶を飲み比べます。
・日時:6月21日(木)13時
・会場:清閑亭(小田原市南町)
・定員:20名
・対象:一般(どなたでも)
・受講料:2000円(清閑亭の選べるスィーツ付き)
・受講締め切り:6月17日

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