カメムシと畑と杉

Farming, Root Farm, YUMI先生, かりの

ピーマンの果実の表面で、カメムシが交尾していました。

ピーマンに影響はあるのか、畑とカメムシの関係について、虫の専門家YUMI先生に聞いてみました。

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>Root
 YUMI先生、このカメムシたちは、ピーマンの栽培に影響するのでしょうか?

>YUMI先生
 たぶんアオクサカメムシ。ピーマンに影響があるかといえば、なくはないが大したこともないだろ。
 蝉、アブラムシ、ウンカヨコバイ、カメムシにナンキンムシといった連中は、以前半翅目と呼ばれていたが今はカメムシ目という。あたしゃ漢字の方が好きだがな。
 この連中は頑丈なストローを持ち、いろんなものに突き刺してちゅうちゅうと吸う 。セミなんか硬い樹の皮をぶち抜くもんね。アブラムシやウンカヨコバイは茎や葉が主だけど、カメムシって言う連中は種食いなの。あぶらっ気の多い種が大好き。
 馬にやる草を土手で刈るんだが、イネ科の穂が出て、実を結びだすと、刈りながらふっと臭うことがある。杉の毬果、大豆など豆類も大好き。それでも、みかんや梨など柔らかい果実を吸うこともしばしばある。

>Root
 カメムシが、作物に害を及ぼすのはどのような時でしょうか?

>YUMI先生
 アオクサカメムシが害虫と呼ばれるのは、豆類では多発して豆の実入りが悪くなるような時、みかんの実り皮に目立つ斑点を残したり、なしの実ににへこみができたり、米粒に斑点が残ったりした時。
 豆の場合、大豆なら一つさやに3粒豆が育つでしょう、そのうち一つが実らなかったりするわけ。これは完熟の豆として利用する場合は収量低下だし、枝豆なら品質低下だ。
 みかんやなしや、水稲の斑点米も品質だな。
 種の場合、幼い種が吸われると実らないで「しいな」になるし、実が入ってからだと斑点や変色、しみのようなものが残る。みかんや梨は後の方。

※写真:斑点米

(「農業用農薬 syngenta.」http://www.syngenta.co.jp/cp/columns/view/kamemushi_knowledge/)

※写真:カメムシに吸われたミカン

(「愛媛のおいしいみかん 青い樂園」https://blog.goo.ne.jp/meguminoame/e/8e63b6c6a829ff2e82c6bbc1772985d9)

 この前の、ズッキーニの「たまご」もカメムシかもしれないなあ。針を刺したが美味しくなかった、または他の理由で中止したら、ズッキーニの方は傷を塞ぐためにヤニをだすだろ。

 あぶら好きなんで、とうもろこしは特に好きな方でもないだろうけど、着くよ。実が歯抜けになる。私の家の近くには、杉山があって露地野菜の畑もあるが、トマトやゴーヤにこれほどカメムシがつくなんてねえ。ライトトラップ(灯火採集)で大量捕殺できんかな。

>Root
 畑のカメムシは、増えているのでしょうか?

>YUMI先生
 数も、畑の害も増えている。
 要するに数の問題なの。杉の毬果吸って、レンゲやカラスノエンドウなどの春の豆吸って、土手のからす麦やすずめ麦の穂が出たらそれ吸って、そうしてれば平和だったんだけど。
 近年のカメムシ多発の原因は、戦前から盛んに植えられた杉の林が、林業が儲からなくなったために放棄されたことにある、つまり花粉症の多発と同根だと言われてる。手入れされずにぼうぼう伸びた杉はやたら花をつける。雌雄異花で、花粉は枝先にふさ状にぎっしり着く雄花からとび、元に近い方にある丸い雌花にとどくが、この雌花が実を結ぶと、多くの油を蓄え、カメムシ類の大好物となる。越冬成虫は春先にここで産卵、次世代は美味しいものを求めてあちこちに散る。

 富国強兵で杉ばっか植えちまったし、植えたもん間引き枝打ちする労働力を戦争で無駄にし、そのあとは工業に引っこ抜いた結果、杉の木は花盛り、マスク屋さんがおお儲け、カメムシはわが世の春、てとこかな。

 カメムシの強みは機動力、成虫だけだけど。水稲の斑点米カメムシの一つ、オオトゲシラホシカメムシの例だけど、1筆の水田に大勢で入って、2日ぐらいで引っ越す。あとでごっそり斑点米が出るのだが、1日ふつかしかいないから、防除間に合わない。予防散布するしかない。大豆畑に座り込んでじっくり繁殖するようなのはむしろ始末がいい。

 前世紀の世紀末は、アブラムシ、アザミウマ、ハダニといった老眼殺しのちみっちゃい虫に悩まされてきたけど、ここにきてまたカメムシのようなおっきい虫が幅を利かすようになったねー。世の中、わからんものだわい。

※写真:Root Farmかりのの畑から見る、明神が岳。杉が一面に広がる。

>Root
 ありがとうございました。

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